先代経営者以外からの取得について事業承継税制を受けるには?

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2018年の事業承継税制の改正により、先代経営者だけでなく「先代経営者以外の株主」からの株式の取得についても納税猶予の適用を受けられるようになっています。

そのためには「先代経営者から株式を取得する時期」「先代経営者以外の株主から株式を取得する時期」「(贈与の場合)贈与により取得する株式の数」「(贈与の場合)贈与者の代表権」について一定の要件を満たさなければなりません。

ここでは、この要件について解説します

株式を取得する時期

(1)先代経営者から株式を取得する時期

以前からの事業承継税制の一般措置(最大で53%の納税猶予)では先代経営者から株式を取得する時期について、特に期限は設けられていません。

注意が必要なのは2018年から施行されている事業承継税制の特例措置(最大で100%の納税猶予)であり、こちらについては「2023年3月31日までに県に特例承継計画を提出」して、「2027年12月31日までに先代経営者から贈与又は相続により株式を取得」した場合に適用を受けることができます。

特例承継計画を出した場合必ず事業承継税制を適用しなくてはならないということはなく、特例承継計画を提出して事業承継税制を適用しないことも可能です。

したがって、現時点で事業承継税制の特例措置を適用するか分からない場合であっても、2023年3月31日までに特例承継計画を出しておいて、2027年12月31日まで事業承継税制の特例措置を適用するかを検討することができます。

事業承継税制を検討している方については、「とりあえず」特例承継計画を提出することをおすすめします。

(2)先代経営者以外の株主から株式を取得する時期

先代経営者以外の株主からの株式の取得については、先代経営者からの株式の贈与又は相続が行われたになされる贈与又は相続で、「先代経営者からの株式の贈与又は相続による取得が行われた日」から「特例期間の末日」までの間に申告期限が到来する贈与又は相続が対象となります。

具体的には次のようになります。

1)先代経営者から贈与により株式を取得した場合

「先代経営者から株式を贈与により取得した年の翌年3月16日」から「同日後5年を経過する日」までの期間が特例期間となります。

したがって次の期間に先代経営者以外の株主から贈与または相続により株式を取得した場合に納税猶予の対象となります。

2)先代経営者から相続により株式を取得した場合

「先代経営者の相続開始の日の翌日から10か月を経過する日」が「相続税の申告期限」となり、「相続税の申告期限の翌日」から「同日後5年を経過する日」までの期間が特例期間となります。

したがって次の期間に先代経営者以外の株主から贈与または相続により株式を取得した場合に納税猶予の対象となります。

 

「先代経営者からの株式の取得」と「先代経営者以外の株主からの株式の取得」については同じ年に行った方が事務負担は少ないと思いますが、様々な事情により別の年に取得するということも多いと思います。

その場合には上記の期限があることを忘れずに、納税猶予の手続きをしてください。

(贈与の場合)贈与により取得する株式の数

贈与税について納税猶予を受ける場合については、贈与直前に贈与者が保有していた株式数に応じて最低限贈与しなければならない株式数(贈与義務株式数)が次のように決められています。

(前提)

後継者は一人である

A:贈与者が保有していた株式の数

B:後継者が保有していた株式の数

C:発行済株式の数

(1)「贈与者が保有していた株式の数」が「発行済株式の3分の2から後継者が保有していた株式の数を控除した数」以上である場合

→A≧C×2/3-B の場合

贈与者は(C×2/3-B)株以上の株式を贈与しなければなりません。

(2)上記(1)以外の場合

→A<C×2/3-B の場合

贈与者はすべての株式を贈与しなければなりません。

なお、上記の計算で1株・1円未満の端数が生じた場合には切り上げとなります。

この要件は後継者が極力、議決権の3分の2以上を保有することが出来るようにする趣旨と考えられます。

定款の変更、合併などについては株主総会で3分の2以上による決議(特別決議と言います)が必要とされていますが、後継者が3分の2以上保有すれば単独で特別決議でき、経営が安定するからです。

(贈与の場合)贈与者の代表権

先代経営者以外の株主から贈与により株式を取得する場合には、贈与者が贈与の時において代表権を有している場合には納税猶予を受けることができません。

納税猶予を受けるためには贈与者が贈与の時に代表権を有していないことが必要です。

まとめ

特例措置は一般措置より優遇されているため、特例措置で納税猶予を受けた方が有利です。

ただし、特例措置には期限があるため、事前にタイムスケジュールを立てる必要があります。

また先代経営者以外の株主から株式を取得する場合にも期限があるため注意が必要です。

当事務所では事業承継税制について相談を承っていますので、興味のある方はお気軽にご相談ください。

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